終わりの始まり - これは作り話4 -

本社情報システム部に異動したのは1997年のことだ。私は当時の本社2号館というビルの6Fにオフィスを構えていたその部署で、システム管理者としてITキャリアの一歩を踏み出した。

管理対象のシステムは、SunのUnixサーバとWindows NTで構成するクラサバ型システムで、全国を10の地域に分割しそれぞれNTドメインとして管理していた。クライアント数は合計で1000前後だったかと思う。今となっては懐かしいDEC Alphaを搭載したマシン（DNSサーバとして）や、MIPS R4400搭載のExpress5800（ドメインコントローラとして）など、ハードウェアのアーキテクチャも様々だった。

私はそんなシステムをネットワークからOS、DB、ミドルウェア等およそアプリケーション開発以外のすべてを担当した。もちろんユーザ対応やクライアントPCの修理も仕事だ。1日の作業は、そのほとんどをPC修理・再設定に費やすことが多かった。毎日平均して3台～4台程度のPCを修理・セットアップしていた。

そして、情報システム部での勤務が2年を超えたころ、私は妻と結婚した。1999年のことだ。結婚式と披露宴は7月上旬に行ったが、婚姻届は9月9日に提出した。せっかくの1999年だからということだった。